エジプトはナイルの賜物(たまもの)
…「エジプトに文明が成立・発展したのは、ナイル河から賜った恵みのおかげである」。
cf. 賜物は、「賜った物」。ナイル河上流域からもたらされた、肥沃な土壌
などがそれに当たる。
ちなみに、「賜う」は尊敬語の古語(文語)で、「目上の人から下の人に
与える」の意。
エジプト Egypt (英語)
…「主神プタの宿る場所」。
cf. 古王国時代の都メンフィス Memphis の古代エジプト名ハト=カ=プタ Hat ka Ptah
「主神プタの宿る場所」を語源とするギリシア名のアイギュプトス Aegyptus に由来。
ハト hat 「場所、国」がアイ ai 「土地」、カ ka がギュ gy 、プタ Ptah がプト pt に
なったアイギュプトにギリシア語の接尾語 os が付いた。
なお主神プタは創造神で、ナイル河の泥から全ての者を創り出したされる。
エジプトと同様にコプト Copt (古来エジプトに土着している人々、またはキリス
トの単性説<イエスの神性と人性を融合したものと考える>エジプトとエチオピアの
キリスト教信者)も、これが訛ったもの。
また、英語の「ジプシー Gypsy 」(ロマ Roma が自称なので、現在の呼称はロマ
やロマニー Romany)は、 Egyptian 「エジプト人」にちなんだもの。なぜなら、彼
らがヨーロッパで、エジプトから来た人々と誤って考えられたから。
ちなみに現在のエジプトは、アラビア語の正称でアル・ミスル Al Misr 「領土、
首都」であり、これは首都のカイロをミスルと呼んだことによる。
ナイル河 Nile (英語)
…「大河」。
cf. ハム語やセム語のナハル Nahal 「大河」が語源。ギリシア語のネイロス Neilos 、
ラテン語のニルス Nilus 。